さて、モビルスーツ論を述べる前に、この時代の背景を整理しておこう。
Zガンダムの時代は、後世、ティターンズの反乱やグリプス戦役と言われる。
ただ、国家間の戦争などではなく、連邦軍内の主導権争いに過ぎない。
すなわち、ティターンズとエウィーゴと言われる派閥が争った。そして、後にジオンの残党が参戦することになる。
大局的に言えば、1年戦争という国家間戦争から7年後と言う事を考えると大した事ではないのである。
しかし、不思議なことがある。たかだか軍の派閥争いであるのに、
1年戦争時と同等かそれ以上のモビルスーツの機種が投入されているのである。
1年戦争当時、ジオンは数多くのMSを開発したが、連邦軍はワンオフ機のガンダム系のMSを除けばジムだけである。
国家間戦争でもそんな連邦軍が、何故平時に数多くのMSを所持していたのか?
ましてや、全軍を巻き込んだ派閥争いではない。
それは、たかだか輸送船一隻と趣味の範疇で作ったMSを所持しているだけのパプテマス・シロッコが重要な役割を
果たした事でも容易に理解できるであろう。
このとき、連邦軍に正式採用されているMSは、ジムⅡ、ハイザック、ガルバルディβである。
この3機種のみが、基本的に運用されていたのである。
連邦軍らしいと言えばらしいのであるが、この3機種は、1年戦争当時の機体のマイナーチェンジモデルである。
(ガルバルディβは、1年戦争時にジオンが開発したものを接収、改良したものと言われている)
360度スクリーン等の新世代の操縦系の技術は投入されているものの、
当時のラインを流用することや新設計ではなく改良版であること、元々、運用性がよいものであったりと
生産コスト・運用コスト重視の機種ばかりである。
もちろん、敵対勢力がもはや残党レベルであることを考えれば、
生産コスト、運用コストが抑えられる兵器であるのが、妥当である。
星の屑作戦の頃に連邦が条約を無視して、極秘裏にMSの開発を行っていたこともあり、ティターンズがジオン軍残党狩りのために相当のMSを保持していたことも考えられますね。