戦時において兵器開発は、生産性やコスト、スペック、使用用途等を考慮して、軍が軍需メーカーにオーダーして開発される。
軍に技術将校というポジションがあるのは、専門知識をもった人材がいないと軍にオーダーできないからである。
平時においては少し事情が異なるが、それはZガンダム時代の記事に述べることになろう。
1年戦争当時、最も優れた兵器としてのモビルスーツはMS06ザクである。
ガンダムよりもジムよりもゲルググよりも優れていた。
と言うと、「おまえ、バカか、安藤!!」と言われるかもしれないが、
私は安藤ではないし、ドアホではあるがバカではない。
この記事では、ザクが1年戦争時における最優秀兵器であることを証明したい。
さて、ザクは史上初の大量生産モビルスーツである。
量産型モビルスーツに必要なのは何か?(特に当時のジオンにおいて)
生産工程の高効率化であり、メンテナンスの簡易さも含めた運用性であり、操縦性の向上である。
安価で大量に早く生産でき、故障が少なく修理しやすく、乗りやすい機体と言う事である。
すなわち、キーワードは汎用性!!どんなに高スペックの機体であっても戦闘中に故障するような機体は、兵器としては最低であるし、
最前線においては、補給もままらない事もあろうが、パイロットは万全の機体で出撃したいと思うであろう。
その時の修理のしやすさ、整備のしやすさが最も必要な条件であろう。
そして、(連邦に比べて)人口の少ないジオンにおいては、パイロットの熟練度には大きな開きがあったと思われる。
量産型として配備されるMSには、誰でも扱える操縦性が必要であった。
ザクは、量産型兵器が必要な汎用性が備わっていた優秀なモビルスーツであったのである。
また、量産型の為に設計に余裕を持たせた事が、細部の改良を安易なものにしている。
シャア専用のザクが「通常の3倍」と言われるが、そこまでのチューンアップが可能なのは基本設計の優秀さにのみでなく、
機体性能に余裕がある設計であった為である。
何故、性能が上げられるに、通常の3倍仕様の機体を量産しなかったと言う質問があるかもしれないが、
それは耐久性の問題である。クルマでもチューンドしたハイパワー車の耐久性は低い。
耐久性が低いという事は、高い性能を短時間しか維持出来ないという事であるし、故障の確立も高くなり、
運用性が悪くコストも高くつく。
シャア・アズバブルは将校である故、特別な運用が出来たのであろうし、メンテナンスも十分に出来る恵まれた環境であった。
また、彼の実績がチューンド・ザクを配備させたのであろうし、何よりもパイロットとして優秀であったのだろう。
ゆえに、量産型としては、耐久性やメンテナンス性を犠牲にしたハイスペックである必要でなかったのである。
逆に言えば、バリエーションとしてチューンドタイプを仕立て上げる事が出来る優秀さがあったとの証明である。
あくまでもザクは量産型なのである。