今のように、特撮がイケメン俳優の登竜門でなかった昭和の時代。
ヒロインや出演者にグラドル達が起用されなかった時代。
特撮やアニメが、おもちゃ会社の宣伝目的で作られずに
作り手達のメッセージが深く込められていた時代。
ウルトラマンシリーズの中でも特に「ウルトラセブン」は、
子供が見て楽しく、大人が見て考えさせられるような番組だったと思ふ。
再放送組も含めてウルトラセブンに夢中になっていた少年達の世界には、
アイドルらしいアイドルであり、アイドル界を制覇した松田聖子もまだいないどころか、
ピンクレディーさえ登場していない。
そんな時代の少年達の憧れの女性は、特撮モノのヒロインであった。
多くのヒロインの中でも、アンヌ隊員は 群を抜いて可愛く素敵で、少年達の憧れで、一回り小さい制服は体のラインを浮き彫りにさせ、少年達の心を、ときめかせた。しかし・・・・・・・・・・、アンヌ隊員が、セブンの世界から離れた穢れた大人の世界で、ヌードになったことで、少年達の夢や幻想や憧れは無残にも壊され、消し飛んでしまふ。初潮を迎えることで、否が応でも肉体的に大人にさせられてしまう女性に比べて、
精通を迎えてもエロくなるだけの少年は、大人になるきっかけはない。
しかし、アンヌ隊員のヌードを見ることで
アンヌ隊員に憧れていた少年達は、
大人になったのではないだろうか?
少年時代の憧れと引き換えに・・・・。
そして、大人達の心に残っている遠き少年の日の想いでまでも、
時の流れの無残さの前に、崩壊してしまうのである。
アンヌ隊員は、あの時代の少年達とその成れの果てに、多大な影響を及ぼしたのではないだろうか?
こんなことならば、こんなアンヌ隊員の成れの果ては見たくない。と思うかつての少年もいるだろう。
なんで、出てくるんだ、こんな劣化した姿でと思うかつての少年達もいるだろう。
その嫌悪感は、実は、彼女に向けられたものではなく、
自分自身に向けられたものなのであろう。
悲しいかな、かつての少年達の腹はでっぱり、肌は脂で漲り、劣化が見た目以上に激しいのである。
認めたくないモノを、アンヌ隊員を見ることにより、認識させられる。
そういうことなのだろう。
私がオバさんになったら♪ あなたはオジさんよ♪
かっこいいことばかり言っても♪ お腹が出てくるよ♪多分、そういうことなんだ。